薬機法PRプランナー 松矢英恵のブログ

PR歴14年目のフリーランスPR。新たに薬機法を学んで、2021年10月に薬機法管理者の資格を取得しました!薬機法に強いPRを目指しています。

話題のグルテンフリー、ヴィーガン、低GI、 薬機法的に効果効能はどこまで言える?

グルテンフリー、 ヴィーガン、低GI 薬機法的に効果効能は どこまで言える?

こんにちは、薬機法学習中のPRプランナーの松矢英恵です。
今日は、2021年は食のトレンドとして注目されている「ヴィーガン」や「グルテンフリー」、そして注目されている「低GI」が薬機法的にどこまで効果効能を言えるのか?を取り上げたいと思います。

薬機法では誰が見ても明らかな食品、「明らか食品」は効果効能を謳うことができます。では、ヴィーガングルテンフリーなどの「料理や食品のジャンルを示すキーワード」についてはどこまでどんな風に伝えられるのでしょうか?事例を絡めて紹介します。

下記の事例は、とある企業が「ヴィーガン」、「グルテンフリー」、「低GI」の加工食品を作った、その商品説明文と想定して考えます。薬機法の違反基準に関してはこちらの記事も併せてご覧ください。

 

食品ジャンルのキーワードで効果効能はどこまで言える?

ヴィーガンの場合

ヴィーガンと薬機法


ヴィーガンとは、動物性食品を摂取しない食事法
です。肉と魚だけでなく、卵や乳製品といった動物に由来する食品を一切使用しないことで、ヴィーガンと謳えます。肉魚は使用しないけど乳製品を使う場合には、ベジタリアンという言葉を使います。

近年、肉や魚をはじめとする動物性食品が、生産加工過程でCO2を多く排出するなど環境汚染につながる側面があること、また動物性食品に由来するアレルギーの方が増えていることから、環境と健康の両側面から、全世界的にヴィーガンベジタリアンが注目されています。世界のセレブリティもヴィーガンを実践していたりと最近ではおしゃれなイメージもあり、ヴィーガンレストランやコスメなども増えてきています。

ヴィーガン製品で、明らか食品の記事で紹介したリストと照らし合わせて当てはまらない場合、身体への具体的な効果効能を謳うことができませんので、特定の病気や不調に良い、治るかのように伝えるのはNGです。具体的にOKとNGを見ていきましょう。


OK事例

○ 「〇〇はヴィーガン商品のため、動物性原料を使用しておらず、卵、肉、魚、乳製品を控えている方もお召し上がりいただけます」

→事実として動物性原料を排除している商品だと謳うことは問題ありません。

○「ヴィーガン食を実践すれば、さまざまな健康効果が期待できると言われています」

ヴィーガン食についての説明であり、かつ健康効果が具体的に示されていないのでokです。

 

NG事例

× 「ヴィーガン食を実践すれば、ガンや糖尿病などの生活習慣病を発症するリスクの低下が期待できます」

病名を示すのはNG。あくまでヴィーガン食についての効果効能の説明のため、一見問題ないように思えますが、商品紹介ページに記載があれば商品の効果効能を示唆しているようにも読み取れます。商品のホームページやECサイトSNS、パンフレットに具体的な病名や健康効果を記載するのはやめましょう

 

グルテンフリーの場合

グルテンフリーと薬機法

グルテンフリーとは、パスタやパンなど小麦に含まれるグルテンを含む食品を摂取しない食生活のことです。元々はセリアック病患者の方向けの食事療法ですが、現在ではアレルギーの方や食生活にこだわりのある方で実践されている人も増えています。

グルテンフリーに関しては、小麦を一切使ってないのであればグルテンフリー食品のため、小麦を控えている方にもお召し上がりいただけます」と謳うのは問題ないでしょう。

但し、醤油や添加物など、製造過程で小麦が使われている調味料もありますし、工場の同一ラインで小麦などを使用しているケースもあるので、そこをクリアしているかも確認しましょう。ヴィーガン同様、前述のリストと照らし合わせて明らか食品に当てはまらない場合、特定の病気や不調に良い、治るかのように伝えるのはNGです。

 

OK事例

○ 「グルテンフリーのため、小麦の摂取を控えている方もお召し上がりいただけます。グルテンフリーダイエットに取り組む方にもおすすめです」

ダイエットという言葉だけでは、効果効能を示しているとまでは言えないのでok。但し「ダイエット効果があります」と効果をを示している場合は、客観的な証拠を示せない場合は景表法違反になります。便秘など具体的症状はNG

 

NG事例

×「グルテンフリーなので腸をキレイにしてくれます」

腸という部位への体への作用を示唆しているのでNG

×「ニキビや吹き出物に悩まれる方におすすめです」

具体的な病名(症状)を示しているのでNGです。

 

低GI食品の場合

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「低GI」とは、健康管理やダイエットで注目を集めているキーワードで、食品に含まれ糖質の吸収度合いを示すものです。GI値の高い食品は血糖値を急激に上げやすく、低い食品は血糖値を穏やかに上げると考えられています。

体への具体的作用と大きく関わるように見えますが、どこまで表現できるのでしょうか。

 

OK事例

○「〇〇は低GI食品です」

単に低GI食品というのはOKです。

○「低GI食品は、健康管理やダイエットで注目されており、糖の吸収がおだやかです」

低GI食品を主語にして「穏やかに糖の吸収が行われる性質をもつ」と説明するのは体への具体的作用を示しているとまでは言えないのでokとされています。

 

NG事例

×「GI値が低く糖質の吸収がおだやかで、太りにくい体になれます」

→「太りにくい体」という部分で、体への作用を表しているのでNGです

×「低GI食品なので、糖尿病などで食事制限をされている方にもお召し上がりいただけます」

→糖尿病という具体的病名を示しているのでNGです

 

まとめ

・「ヴィーガン」「グルテンフリー」「低GI」など、料理や食品のジャンル、食品の性質を表す言葉自体は使っても問題ない

・具体的な体への作用や病名を使うなど、身体への効果効能を示すのはNG

・健康管理、ダイエット、糖の吸収がおだやかなど、具体的な身体への効果効能とまでは言えないキーワードを組み合わせて使うのもOK。但し、景表法の観点から客観的な証拠を用意しておく必要がある。


もちろん、これらは「各キーワードと商品をセットで紹介する場合のケース」であり、商品とは一切関係のないメディア(例えば健康情報を発信するサイトなど)が、ヴィーガングルテンフリー、低GIの一般的な健康効果について解説したり、研究結果や最新の事例等を発信するのは全く問題ありません

(商品と"多少関係のあるメディア"(自社運営のオウンドメディアや媒体に広告費を支払って出稿した場合など)ではまた事情が違うので、改めて説明したいと思います)

いかがでしたでしょうか?全世界的にSDGs、サスティナブルなライフスタイルが推奨される中で、ヴィーガンはますます注目されるでしょうし、健康志向の高まりによりグルテンフリーや低GIはますます注目されるでしょう。

これからの商品企画やPR、プロモーション、記事のライティングなどにお役立ていただければ幸いです。

 

※本記事で紹介した事例は、特定のケースに対しての筆者の解釈であり、同じ表現を行うことにより薬機法違反にならないことを保証するものではありません。また、情報発信主体、商品内容や前後の表現、行政許可の有無などにより、可能な表現は変わってきます。詳しくは専門家にご相談下さい。