薬機法PRプランナー 松矢英恵のブログ

PR歴14年目のフリーランスPR。新たに薬機法を学んで、2021年10月に薬機法管理者の資格を取得しました!薬機法に強いPRを目指しています。

なぜ薬機法PRプランナーなのか?

薬機法PRプランナー、それは私、松矢が作った造語です。

薬機法に強いPRプランナーのことで、薬機法の知識をPRプランニングや活動に活かす能力を持つPRプランナーのことを指します。


名刺にも入れているんですが、最近交流会などが増え、薬機法PRプランナーの由来や活動している内容についてお伝えすると、

「すごく納得した!それ絶対世の中に必要な仕事だよ!」

「松矢さんが体験したことや考えたこと、情報発信した方がいいよ」

と言われることが増えました。


確かに、いきなり薬機法PRプランナーと言われても、その意義や役割はわかりにくいですよね。

でもそれは、私自身がPR活動の現場で様々なトラブルをリアルに横目に見てきた結果、これはヘルスケア関連の商品やサービスをPRをしたい企業の方々に絶対役に立つと思って生まれたものなのです。

私が薬機法PRプランナーになった背景とその想いをこの場でお伝えしたいと思います。

 

 

 

ヘルスケアPRと私

私は新卒でPR会社勤務を経て、独立して10年フリーランスPRとして活動し、主に食関係やライフスタイル関連のPRに携わってきました。


PR会社時代に医薬品や化粧品のPRに関わったことがあり、フリーランスになってからもヘルスケア関連のPRに関わってきました。


薬機法や各種ガイドラインが難しいことを理解しており、私自身は当時深い知識はなかっため、クライアント側や代理店の法務担当者がしっかりチェックしてくれる、という体制でのみ請け負ってきたため、そこまでリスクを感じることなく取り組めていました。コロナ禍の前までは。

 

コロナ禍で増えたヘルスケアの仕事

2020年、世の中はコロナ禍に突入。未知とのウイルスとの戦いが始まり、人々の健康意識が高まるとともに、この間ヘルスケア産業は大きく伸びました。


それに付随してか、既存のヘルスケア企業のみならず、新規事業としてヘルスケア事業に参入してくる企業が増えました。


私もそういったヘルスケアや美容の新規事業やプロジェクトに関わることが増えてきました。そこで何が起きたかというと、薬機法のことを知らない企業が、それが原因で大きなトラブルに見舞われるケースが散見されたのです。

 

薬機法を知らなかったがゆえにプロジェクトは失敗、大損失につながる例も

私はPRプランナーとしてヘルスケア関係のプロジェクトに関わってきました。その際、商品や企画がほぼ完成してからPRを依頼されるケースが大半で、いわば「枠組みが既にカッチリ定まっている」段階での発注が大半でした。

 

とあるウェブサイトのコンテンツ制作とPRを請け負った際、その企画書をみた瞬間、

「あれ、このコンテンツ内容、薬機法違反じゃない?」

と感じました。ですが、私に仕事として求められているのは、PRや記事制作であり、そこを指摘する立場ではありませんし、薬機法についてすごく詳しいわけじゃないので確かなことは言えません。(あからさまに違反というより、ややグレーかな?という感じだったため)

そこで薬機法違反の可能性をお伝えしつつ、基本的にクライアントの希望通りにコンテンツを作っていきました。コンテンツがほぼ出来上がって世の中に出すぞ、という段階になった時、

会社が念の為、法務関係の方に確認したところ、「これは薬機法違反だからダメ、そもそもこのウェブサイトの体裁も薬機法違反」ということを指摘され、企画はストップ。

作ったウェブサイトは、世の中に出せずに終わった、ということを経験しました。

予算をかけてコンテンツもサイトも作ったので、それは説明するまでもなく、会社にとって大きな損失です。私自身も一生懸命作ったコンテンツを世の中に出せないのは正直とても悲しかったです。


これは一例ですが、コロナ禍に入ってから、このような薬機法や景表法にまつわるトラブルをクライアントさんが経験するのを多くみてきました

 

その多くが新規事業でヘルスケアに取り組んでいた企業でしたが、中にはもともとヘルスケア事業に取り組み法務部もしっかりしていたところでしたが、ウエブマーケティングなど既存の広告とは異なる新しいスキームを用い、薬機法の知識が万全ではない現場主導で情報発信したため、法務部のチェックが届かず意図せず薬機法違反を犯してしまう、ということもありました。

 

私がPRプランナーとしてできることは?

こういうことはあるあるなんだと気がつくとともに、

「これは資源・資金の大いなる無駄遣いだなぁ。しかも原因は薬機法の実態を知らなかったことだけ

ということに気づきました。

さらに、

「事業立ち上げや企画の最初の段階から、薬機法や景表法のことを知っているPRが関わっていれば、こんなことにはならなかったのではないか?」

ということを思い至りました。


なら私自身が薬機法や景表法を勉強して、適切なプロジェクトや表現を企画提案できる「薬機法PRプランナー」になればいいのでは?と思いました。


それに気づいてからはすぐさま薬機法の勉強に着手、薬機法管理者という民間資格があることも知り、すぐに申し込みました。

 

難しい薬機法の勉強を経て、資格取得へ

薬機法の勉強は正直めちゃくちゃ難しかったです。私自身法学部の出身ではなく(※新聞学科出身で専門はジャーナリズムです)その分野に明るくないこともあったのですが、薬機法、健康増進法、景表法、各種ガイドラインなどが入り乱れているので、全く単純ではないと感じました。

また、これを専門家をつけずして違反しないことを徹底するのは事業者にとって酷であるとも感じました。

 

今の時代は、きちんと広告審査のある新聞やテレビなどの媒体を活用するのみならず、ウエブやSNSを活用して、リアルタイムに大量かつ柔軟に情報を発信しながらマーケティングやPRを行う時代です。そこに薬機法は大きな壁としてはだかるのは間違いないと確信しましたし、私の学んでいることはクライアントさんを守る意味でもとても重要なことだと感じました。


そう思うと、「難しいけど頑張ろう、絶対モノにするんだ」と力が湧いてくる感じがしました。


そんなこんなで晴れて薬機法管理者のテストに合格し、資格を取得します。


こうして、薬機法PRプランナー松矢英恵が誕生しました

【薬機法関連ニュース】消費者庁が大幸薬品に措置命令「クレベリン」に広告根拠なし

久しぶりの更新となってしまいました。薬機法&景表法関連について興味深いニュースが出ましたので、それについてまとめたいと思います。

 

大幸薬品さんのクレベリン商品が消費者庁より景表法違反の措置命令を出されたというニュースが出ました。

www.jiji.com

コロナ禍を背景としてか、多くの空間除菌関連の商品が消費者庁から措置命令出される中、なぜクレベリンは出されないのだろう?と少し不思議に思っていたんですが、やや時差があったようです。

 

最近は、景表法違反の措置命令を出されたからといって「はいすみませんでした」と素直に応じるわけではなく、消費者庁を相手取って訴訟に持ち込むケースが増えています。

 

プレスリリースによれば、今回の大幸薬品さんのケースでは、(以下敬称略)

・2021年11月に消費者庁がクレベリン商品ラインナップで措置命令を出すと予告、大幸製薬が弁明機会を与えられる。
・12 月 14 日、それに不服だった大幸製薬が措置命令の差止訴訟を提起し、仮の差止めの申立てを行う。
・2022 年 1 月 12 日、クレベリンラインナップの2商品について、消費者庁に提出したエビデンスが有効と認められ、措置命令の仮の差止めが決定。一方、それ以外の4商品のエビデンスは無効で不当表示だとされる。
・1月13日、大幸製薬、4商品の不当表示との判断に、東京高等裁判所に対して、即時抗告。
・1月20日 消費者庁、予定通り4商品を景表法違反の不当表示としてマスコミに発表

消費者庁と大幸製薬の訴訟は今後も続くと思われます。

 

メディアの記事は、消費者庁がマスコミ向けに発表したプレスリリースを基に書いているため、消費者庁という権威が発表しているということもあり、大幸製薬の商品が効果がないかのようなイメージを受けます。一方で、他の製品が2商品のエビデンスが認められているので、実際のところは裁判の結果を見ないとなんともいえないのではないか?と私は個人的には思います。

景表法の措置命令では出された側も消費者庁との訴訟に持ち込むケースが増えているので、今後は消費者庁の発表とともに、その裁判の結果を含めて見ていった方がいいかもしれません。

 

今回の詳細については、この薬事法ドットコムさんのTwitterでわかりやすく説明しています。

 

大幸製薬さんのプレスリリース(淡々とした説明の中に怒りが滲み出ているようにも私は感じます)
https://www.seirogan.co.jp/internal/uploads/arrival/pdf_656.pdf

薬事法管理者試験、合格しました!

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本日合格通知を受け取りまして、晴れて「薬機法管理者」の資格を取得しました。

これにより、勉強中を取って「薬機法PRプランナー 松矢英恵のブログ」とブログ名を変更しました。

※ちなみに私はPRSJ認定の㏚プランナーの資格も持ってます。㏚会社にいたので、当時社員ほぼ全員必須で取得していました。

 

法律は時代とともに動いていくものです。資格とってハイ終わり、では決して通用しない世界ですので、引き続き様々なケースを検証し最新の情報をウォッチし続けたいと思います!

 

資格取得により、今後はプロフェッショナルとして、HPやLP、プレスリリースの薬機チェックから制作はもちろん、薬機法をきちんと守りながらPRで高い効果を狙いたい方に包括的なプランをご提供していきたいと思います。

 

ちなみに、私が積極的にかかわっていきたいのは、「食分野」です。私は㏚プランナーとしても食専門で活動をしてきましたが、いわゆるサプリメントのような健康食品とは違う「食品」なんだけれども、健康面を特長として打ち出したいというケースは近年増えています。

例えば、私が㏚をサポートさせていただいております玄米麺の「99麺」のように、ヘルシーさ打ち出したいという食品もその一例です。

この記事でも注目の食ジャンルである、ヴィーガングルテンフリーでどこまで効果効能訴求ができるかまとめました)

 

また、機能性表示食品の分野では、肉魚野菜などで機能性を謳うケースも増えております。農協などが魚や野菜でも機能性表示を届出を積極的に行ったり、6次産業の分野でも注目されています。

news.nissyoku.co.jp

 

私は㏚プランナーとして独立以来、多くの地方創生関係のプロジェクトや、生産者さんの6次産業商品の㏚などにも関わってきました。その中で生産者さんや食品会社さんの想い、日本の自然の素晴らしさとそれを生かしながら高い技術で生産物や商品を作って行く姿などを多く垣間見てきました。そしてそれらを㏚活動を通じてまずは日本国内の知名度を上げて、そして世界へ広げていくための支援も行ってきました。

 

私はこの機能性表示食品に関しても、そのように地方から世界に羽ばたくチャンスの種となる可能性を秘めていると思っています。

地方の方々の食分野での取り組みは、日本が世界に誇れるものだと常々感じており、ぜひその㏚サポートがしたいと考えております。チャンスがありましたらぜひお声がけくださいませ。

 

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

松矢英恵

それでも薬機法を守るべき理由

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最近、カッチリした記事を書き続けて疲れたので、今回はややライトなタイトルでお届けしたいとと思います笑。ブログは何より続けるのが大切とおもいますので、その時の気分に合わせて書き続けたいと思います。


さて、こんな声が寄せられてることもあります。

「薬機法は大切なのは分かったけど、ライバル会社は違反して売上をあげてる。指導が入ってるわけでも無さそう。なぜ薬機法守らないといけないの🥺」


ごもっともな意見だと思います。実際のところ、インターネットで検索すると、薬機法違反状態で健康食品や化粧品を販売している業者は多数見つかります。あまりにも数が多いので野放しになっているのが実情でしょう。


薬機法を守って効果効能が訴求できないとなると、売上もその分減少してしまうので、経営者としても不安でしょう。違反状態でうまくいっているライバル会社があれば怒りを感じるかもしれませんし、真面目にやっていることがバカらしくなってしまうかもしれません。


常識的に考えたら「法律なので守らないといけない、以上」ということなんですが、経営者目線で考えると、

「そこまでして守らないといけない??🥺」

と思う気持ちもよーく分かります。売上もあげなきゃいけないし、従業員を守らなくてはいけない。背に腹は変えられないと。


「体への効果効能という、健康食品や化粧品で一番言いたい事を言ってはいけない(例えエビデンスがあっても)」、経営者にとってはまるで商売することを阻む拷問のように感じる薬機法ですが(※本当は消費者を守るためにある法律です)、逆に「守るメリット」ってあるのでしょうか?見ていきたいと思います。

 

薬機法を守るべき理由

前提として、私は薬機法自体が万全で完璧な法律だとはあまり思っていません悪徳商法を防ぐためを意図しているのだと思いますが、真面目に健康美容商品を広めたいという人達にとってはやや厳しすぎると思います。そもそも古い法律ですし、新しいテクノロジーが続々と生まれている今の時代に合わせて変えていくべきところは変えていくべきだろうと思っています。でも、現状定められている法律を違反してしまうと、社会からの信頼は得られにくくなります。

中には違反しても売り上げが上がればいいと開き直って違反している企業もいるでしょう。しかし、本当に良心でいいものを広めたい、品質が良くきちんとしたエビデンスもある、だから表現を踏み込んでしまったら薬機法違反になってしまった、というケースもあります。しかし、どのような動機であっても法律違反ということは変わらず、社会からの評価は下がってしまいます。ビジネスの成長も停滞しますし、諸々のリスクもあります。

私は健康美容が大好きなので、その産業を支える企業を応援したいと考え㏚活動をしてきました。薬機法の知識をこのようにブログでお伝えしているのは、そんな企業を薬機法違反のリスクからお守りし、成長の一助にしてほしいという願いからです。

 

理由①従業員や協力会社の方を行政措置や罰金・逮捕のリスクから守ることができる。

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以前、薬機法に詳しくない経営コンサルの方とお話したときのことです。私が薬機法の大切さを熱弁してもイマイチピンときておらず、興味なさそうに聞いておられました。ところが、下記をお伝えすると目の色が変わりました。


私「薬機法違反をするとですね、その商品やサービスを扱う会社の社長だけじゃなく、従業員も逮捕される可能性があるんです。更には代理店の社長、従業員、機材を作っていた下請け会社の工場の人まで逮捕された事例もあります」

 

コンサルさん「えええー!!!逮捕されるの!それは守らないとマズイですね!」

と驚いて、ようやく重要性に気づいていただけました。薬機法違反をすると、注意を受けたり、罰金命令が出たり、最悪の場合逮捕されます。しかも経営者だけではなく従業員や関わった企業までもです。逮捕といっても多くは書類送検止まりですが、前科がついてしまうのは間違いありません。

 

薬機法を守ることは自身はもちろん、従業員や取引先を守ることでもあるのです。他社もやってるから大丈夫と軽く考えずにキチンと向き合うに越したことはありません。

 

理由②売上アップに欠かせない広告出稿がスムーズに行える

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基本的にメディアに広告出稿する際は薬機法を守ることが求められます。違反をしていると審査に通りません。つまり、マーケティングの要となる広告出稿ができなくなるということです。

商品がある程度売れるようになって、加速させるためにいざ出稿しようとしたら、薬機法違反が発覚して出稿できずブランディングせざるを得なくなったということも起こり得ます。となるとパッケージやらコンセプトやらまた一から作り直さないといけないので大変です。薬機法をキチンと守っていたらスムーズに出稿できます。

Yahoo!、楽天Amazonなど大手サイトでは下記ポリシーを定めており、その中に薬機法関連の事柄も書かれています。

ads-promo.yahoo.co.jp

adsales.rakuten.co.jp

advertising.amazon.com

 

一方で、私が見たところ、別の大手SNSサイトの広告では薬機法違反が散見されるので、あまり厳密に守られていない媒体もあるのかもしれません。しかし、2021年8月に薬機法の法改正があり課徴金命令対象者が(景表法の定めでは)事業者のみだったのが、何人も(誰でも)に変わったので、メディアも薬機法違反広告を野放しにしていることはできないでしょうから、今後は厳しくする方向に変わってくるのは間違いありません。今まで薬機法をあまり意識していなかったインフルエンサーやアフィリエイターの皆さんも同様に注意する必要があります。

 

理由③販路開拓の障壁となるのを防ぐ

「自社ブランドの健康食品を作り、ECと自分の店舗で小さいところから売り始めた。売れ行きもそこそこで、お客さんからの評判もいい。ブランドを成長させてくて、百貨店やドラッグストアなどに卸して販路拡大を狙いたいけど、どこからも断られてうまくいかない。なぜだろうか?」

 

販路拡大がうまくいかない場合、色々な理由があると思いますが、「薬機法違反」も一つの理由になっている可能性もあります。薬機法は適用範囲は「何人も(誰でも)」ですので、卸先の販売店も課徴金含めその責任を負うことになります。なので薬機法違反を行っている商品はいくら人気があったとしても卸したくないということになります。販路拡大を狙うならば薬機法遵守はマストになります。

 

補足:中小企業だから薬機法違反してもバレない??

ちなみに、「ウチは中小企業で小さくやってくつもり。大手さんのように目立たないから大丈夫だよ」ということを仰る方もいます。

それに対する私の意見は、「中小企業でも違反で行政措置や摘発を受けた事例は多数あるから、規模は実は関係ない」です。これは薬機法違反事例を見ても事実そうなっています。もちろん大手企業は目立つので法務担当者が事前に違反がないように情報を精査して世の中に出している会社が大半、そもそも守るのが当然という意識です。ですが、少し攻めた表現をしたら違反となってしまったケースはあります。あからさまな違反はあまり見られません。

ちなみに、薬機法違反で行政が動くケースの大半が競合他社からの告発だそうです。これはちょっと怖いですね。くれぐれも気をつけましょう。

 

いかがでしたでしょうか。

やっぱり何度勉強しても薬機法って厳しいなぁ〜と思います😅でも、大切な会社、従業員の皆さん、協力会社の皆さん、そして企業の成長を想えばキチンと守るのは大切ですね。ただ単に守るだけでは味気ないメッセージになりますので色々と工夫が必要です。薬機法を守りながら売上アップし成長していく方法について、引き続きブログでお伝えしていきたいと思います。

飲食店さん必見!!UberEatsのメニューで 健康効果を謳うのは薬機法的にアリ?


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こんにちは。薬機法習得中のPRプランナー松矢英恵です。ちょっとタイトルロゴのデザインをポップに変えてみました。私はcanvaというアプリを使っているのですが、本当に手軽に色々なデザインができてですね。

 

さて、今回は飲食店やテイクアウト、デリバリーメニューで健康美容の効果効能はどこまで伝えられるのか?について解説したいと思います。最近、こんな質問がありました。

「ヘルシーなメニューを提供するレストランのオーナーです。UberEatsを始めたのですが、メニューで効果効能を謳っても大丈夫ですか?」

結論からお伝えすると、UberEatsなどのデリバリーのメニューで健康効果は謳うことができます!

コロナ禍で飲食店さんは厳しい状況が続いています。薬機法やPRの観点から売上アップに貢献できるアイデアをお伝えできたらと思います。

 

飲食店のメニューで伝えられる健康美容効果

飲食店メニューやテイクアウトは薬機法適用外

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常識的に考えて、たった1食で薬を飲んだ時のように病気が治ったり体の不調が治るというのは考えにくいので、レストランのメニューや調理品には薬機法は適用されません

例えば薬膳料理のお店で、お茶のメニューに効果効能が書かれているのを見たことがありませんか?それは薬機法の適用がないのでokなのです。

飲食店のメニューやテイクアウト、お惣菜などは、比較的食品の効果効能を自由に表現できる世界だと言えるでしょう。


ダイエットはもちろんのこと、通常健康食品では使用が難しい美肌や腸活、免疫力up、抗酸化、目の疲れに、二日酔いに、といったキーワードもその効果が認められている食品を使用するなど、客観的根拠があれば謳っても問題はありません。

 

但し、淹れたお茶ではなく茶葉を売ったり、あるいはスープやカレーなどをレトルト商品にして売る際は「食品」となりますので、明らか食品ない限り薬機法が適用されて効果効能を訴求できなくなります。店舗でもデリバリーでも同様です。ご注意ください。


私は昔、美容食レストランのPRに関わっていたことがありました。栄養学や薬膳、東洋医学等の理論から導き出されたレシピで作る、美肌や美腸、内側からキレイになるメニュー。そんな企画に関わるのも、プレスリリースを書くのもとっても楽しかったです!薬機法は規制でガチガチの世界ですが、飲食店はその範囲外で比較的自由な表現ができるといえます。そこは飲食店の強みですので、うまく活用しましょう。

 

UberEatsメニューで健康効果を訴求して売上アップを狙おう!

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コロナ禍で健康食品市場は大きく成長しています。いまや健康のために食に気を使うのは一部の意識の高い人たちのみならず、多くの人たちが実践しています。UberEatsにはサラダやヘルシー、ヴィーガンベジタリアンといったカテゴライズがあり、ヘルシーな食生活をしている意識の高い方にも人気があります。

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カテゴリをチェックしてみると、それらカテゴリに登録はされているけれどそんなにヘルシーに見えないかも、というメニューも散見されます。

一方、見せ方が上手なお店は、「腸活」や「高タンパク質」、「薬膳」というフレーズをうまく使って、メニューにヘルシーなイメージを付与しています。

 

・肌荒れに悩んでいたりダイエットで体をスッキリさせたい方→腸活、ダイエット

・トレーニングしていて体作りに役立つメニューをまとめている男性→高タンパク質、プロテイン補給

・仕事でお疲れでヘルシーなメニューに癒されたい女性→元気薬膳スープ、等

 

上記のように、ターゲットのペルソナとそれに合ったキーワードを設定し、写真もそれに合ったものに変えると売り上げも上がるかもしれません

 

UberEatsは多くの方がお店に行ったことがない中、画像やメニュー、テキストのイメージだけで購入します。意外とお店の魅力が伝わっていない可能性もあります。ヘルシーさを訴求したいなら、うまく効果効能を表すキーワードを盛り込んでみると、購入者にメリットが伝わりやすく効果的です。

 

オーバートークに注意!

但し、「このメニューを食べれば便秘スッキリ解消間違いなし!」

など大袈裟に言いすぎるのはもちろんダメです。病気や症状が治るかのように表現するのは景表法上、客観的な根拠がないとみなされ違反となります。オーバートーク、言い過ぎには十分お気をつけください。

 

企業商品とのコラボメニューで効果効能は謳える?

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「とある飲食店に、お腹の調子を整える〇〇菌を使ったヨーグルトを出すA社からコラボメニューをそのお店で出す打診がありました。お腹の調子を整えることは学会で発表した研究結果など客観的エビデンスはありますが、薬機法の関係から商品自体では『お腹の調子を整える』とは謳っていません。飲食店で『お腹の調子を整えるA社の〇〇菌ヨーグルトを使ったメニュー』と謳えるのでしょうか?」


これはちょっと難しいと思います。あくまでケースバイケースですが、このケースでは基本的に企業の商品名を出した上で、コラボメニューで効果効能を謳うのは控えた方が無難です。なぜなら、メニューとして売り出す一方、店舗でその商品名や社名を出すことで「広告宣伝」しているようにも捉えられるからです。なので商品で明確に薬機法上認められていないとわかっている表現を、飲食店メニューだからといって謳うのはリスクが高いです。コラボレーションしてメニューを出すこと自体は問題ないですが、その際に身体への具体的な効果効能を示すのは控えましょう

 

〇〇社のチョコレートを使っているとか、△△社の〇〇菌配合のヨーグルト使用とか、素材自体の名前を出すだけならば問題ないです。ビューティやインナーケアといった薬機法に抵触しない範囲のキャッチフレーズや説明をつけるのも可能です。また、薬機法がきちんと守られた内容であれば、その商品のパンフレットをお客様にお渡しするのも問題ありません


私自身は、メーカープロダクト(食品)と飲食店とのコラボレーション、PR実績が多数あります。飲食店コラボレーションは、それを行っただけでは飲食店に普段いらっしゃるお客様のみのリーチに留まります。PR活動を行いメディアにアプローチし、ウェブメディアやテレビに取り上げられると大きく情報が広がっていきます。

商品が有名になり、飲食店に足を運ぶお客様も増えて双方にとって良い施策だと思います。私はその企画プランニングからプレスリリース作成、メディアアプローチまで一括して行うことができます。もし「飲食店とコラボしてPRしたい」「企業コラボを受け入れたい!」といったご希望のあるメーカー様や飲食店様はこちらのフォームよりお問い合わせください

話題のグルテンフリー、ヴィーガン、低GI、 薬機法的に効果効能はどこまで言える?

グルテンフリー、 ヴィーガン、低GI 薬機法的に効果効能は どこまで言える?

こんにちは、薬機法学習中のPRプランナーの松矢英恵です。
今日は、2021年は食のトレンドとして注目されている「ヴィーガン」や「グルテンフリー」、そして注目されている「低GI」が薬機法的にどこまで効果効能を言えるのか?を取り上げたいと思います。

薬機法では誰が見ても明らかな食品、「明らか食品」は効果効能を謳うことができます。では、ヴィーガングルテンフリーなどの「料理や食品のジャンルを示すキーワード」についてはどこまでどんな風に伝えられるのでしょうか?事例を絡めて紹介します。

下記の事例は、とある企業が「ヴィーガン」、「グルテンフリー」、「低GI」の加工食品を作った、その商品説明文と想定して考えます。薬機法の違反基準に関してはこちらの記事も併せてご覧ください。

 

食品ジャンルのキーワードで効果効能はどこまで言える?

ヴィーガンの場合

ヴィーガンと薬機法


ヴィーガンとは、動物性食品を摂取しない食事法
です。肉と魚だけでなく、卵や乳製品といった動物に由来する食品を一切使用しないことで、ヴィーガンと謳えます。肉魚は使用しないけど乳製品を使う場合には、ベジタリアンという言葉を使います。

近年、肉や魚をはじめとする動物性食品が、生産加工過程でCO2を多く排出するなど環境汚染につながる側面があること、また動物性食品に由来するアレルギーの方が増えていることから、環境と健康の両側面から、全世界的にヴィーガンベジタリアンが注目されています。世界のセレブリティもヴィーガンを実践していたりと最近ではおしゃれなイメージもあり、ヴィーガンレストランやコスメなども増えてきています。

ヴィーガン製品で、明らか食品の記事で紹介したリストと照らし合わせて当てはまらない場合、身体への具体的な効果効能を謳うことができませんので、特定の病気や不調に良い、治るかのように伝えるのはNGです。具体的にOKとNGを見ていきましょう。


OK事例

○ 「〇〇はヴィーガン商品のため、動物性原料を使用しておらず、卵、肉、魚、乳製品を控えている方もお召し上がりいただけます」

→事実として動物性原料を排除している商品だと謳うことは問題ありません。

○「ヴィーガン食を実践すれば、さまざまな健康効果が期待できると言われています」

ヴィーガン食についての説明であり、かつ健康効果が具体的に示されていないのでokです。

 

NG事例

× 「ヴィーガン食を実践すれば、ガンや糖尿病などの生活習慣病を発症するリスクの低下が期待できます」

病名を示すのはNG。あくまでヴィーガン食についての効果効能の説明のため、一見問題ないように思えますが、商品紹介ページに記載があれば商品の効果効能を示唆しているようにも読み取れます。商品のホームページやECサイトSNS、パンフレットに具体的な病名や健康効果を記載するのはやめましょう

 

グルテンフリーの場合

グルテンフリーと薬機法

グルテンフリーとは、パスタやパンなど小麦に含まれるグルテンを含む食品を摂取しない食生活のことです。元々はセリアック病患者の方向けの食事療法ですが、現在ではアレルギーの方や食生活にこだわりのある方で実践されている人も増えています。

グルテンフリーに関しては、小麦を一切使ってないのであればグルテンフリー食品のため、小麦を控えている方にもお召し上がりいただけます」と謳うのは問題ないでしょう。

但し、醤油や添加物など、製造過程で小麦が使われている調味料もありますし、工場の同一ラインで小麦などを使用しているケースもあるので、そこをクリアしているかも確認しましょう。ヴィーガン同様、前述のリストと照らし合わせて明らか食品に当てはまらない場合、特定の病気や不調に良い、治るかのように伝えるのはNGです。

 

OK事例

○ 「グルテンフリーのため、小麦の摂取を控えている方もお召し上がりいただけます。グルテンフリーダイエットに取り組む方にもおすすめです」

ダイエットという言葉だけでは、効果効能を示しているとまでは言えないのでok。但し「ダイエット効果があります」と効果をを示している場合は、客観的な証拠を示せない場合は景表法違反になります。便秘など具体的症状はNG

 

NG事例

×「グルテンフリーなので腸をキレイにしてくれます」

腸という部位への体への作用を示唆しているのでNG

×「ニキビや吹き出物に悩まれる方におすすめです」

具体的な病名(症状)を示しているのでNGです。

 

低GI食品の場合

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「低GI」とは、健康管理やダイエットで注目を集めているキーワードで、食品に含まれ糖質の吸収度合いを示すものです。GI値の高い食品は血糖値を急激に上げやすく、低い食品は血糖値を穏やかに上げると考えられています。

体への具体的作用と大きく関わるように見えますが、どこまで表現できるのでしょうか。

 

OK事例

○「〇〇は低GI食品です」

単に低GI食品というのはOKです。

○「低GI食品は、健康管理やダイエットで注目されており、糖の吸収がおだやかです」

低GI食品を主語にして「穏やかに糖の吸収が行われる性質をもつ」と説明するのは体への具体的作用を示しているとまでは言えないのでokとされています。

 

NG事例

×「GI値が低く糖質の吸収がおだやかで、太りにくい体になれます」

→「太りにくい体」という部分で、体への作用を表しているのでNGです

×「低GI食品なので、糖尿病などで食事制限をされている方にもお召し上がりいただけます」

→糖尿病という具体的病名を示しているのでNGです

 

まとめ

・「ヴィーガン」「グルテンフリー」「低GI」など、料理や食品のジャンル、食品の性質を表す言葉自体は使っても問題ない

・具体的な体への作用や病名を使うなど、身体への効果効能を示すのはNG

・健康管理、ダイエット、糖の吸収がおだやかなど、具体的な身体への効果効能とまでは言えないキーワードを組み合わせて使うのもOK。但し、景表法の観点から客観的な証拠を用意しておく必要がある。


もちろん、これらは「各キーワードと商品をセットで紹介する場合のケース」であり、商品とは一切関係のないメディア(例えば健康情報を発信するサイトなど)が、ヴィーガングルテンフリー、低GIの一般的な健康効果について解説したり、研究結果や最新の事例等を発信するのは全く問題ありません

(商品と"多少関係のあるメディア"(自社運営のオウンドメディアや媒体に広告費を支払って出稿した場合など)ではまた事情が違うので、改めて説明したいと思います)

いかがでしたでしょうか?全世界的にSDGs、サスティナブルなライフスタイルが推奨される中で、ヴィーガンはますます注目されるでしょうし、健康志向の高まりによりグルテンフリーや低GIはますます注目されるでしょう。

これからの商品企画やPR、プロモーション、記事のライティングなどにお役立ていただければ幸いです。

 

※本記事で紹介した事例は、特定のケースに対しての筆者の解釈であり、同じ表現を行うことにより薬機法違反にならないことを保証するものではありません。また、情報発信主体、商品内容や前後の表現、行政許可の有無などにより、可能な表現は変わってきます。詳しくは専門家にご相談下さい。

どこからが薬事法違反? 薬機法で使える表現、使えない表現

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こんにちは。薬機法習得中のPRプランナー松矢英恵です。

前回、「明らか食品」の解説を行いました。その中で、効果効能を謳えるのは米や魚、緑茶等、昔からある一般的な食品のことで、新しく開発した目新しい食品には適用されないとお伝えしました。つまり、サプリメントや健康食品のように、「身体への直接的な効果効能」を訴求することができないということでした。

では、薬機法で違反となる「身体への直接的な効果効能を表す表現」とは具体的にどんなものを指すのでしょうか?分かるような、分からないような、という方も多いのではないでしょうか。
今回は厚労省の通知や過去に違反の事例があった事例を基に、OKやNGの判定方法や、その基準などについてお伝えしていきます。

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薬機法違反となる基準とは?

厚生労働省の通知に記された「医薬品的な効果効能の解釈」の基準

薬機法違反の基準となる、「医薬品的な効果効能の解釈」については、厚生労働省の通知「無承認無許可医薬品の指導取り締まりについて」に記されています。長いですがひとまず流し読みしてみてください。その下に要約をまとめています。

2 医薬品的な効能効果の解釈
その物の容器、包装、添付文書並びにチラシ、パンフレット、刊行物、インターネット等の広告宣伝物あるいは演述によって、次のような効能効果が表示説明されている場合は、医薬品的な効能効果を標ぼうしているものとみなす。また、名称、含有成分、製法、起源等の記載説明においてこれと同様な効能効果を標ぼうし又は暗示するものも同様とする。
なお、食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)第2条第1項第11号の規定に基づき、内閣総理大臣が定める基準に従い、栄養成分の機能の表示をする栄養機能食品(以下「栄養機能食品」という。)にあっては、その表示等を医薬品的な効能効果と判断しないこととして差し支えない。


 (一) 疾病の治療又は予防を目的とする効能効果
 (例) 糖尿病、高血圧、動脈硬化の人に、胃・十二指腸潰瘍の予防、肝障害・腎障害をなおす、ガンがよくなる、眼病の人のために、便秘がなおる等


 (二) 身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効能効果
 ただし、栄養補給、健康維持等に関する表現はこの限りでない。
 (例) 疲労回復、強精(強性)強壮、体力増強、食欲増進、老化防止、勉学能力を高める、回春、若返り、精力をつける、新陳代謝を盛んにする、内分泌機能を盛んにする、解毒機能を高める、心臓の働きを高める、血液を浄化する、病気に対する自然治癒能力が増す、胃腸の消化吸収を増す、健胃整腸、病中・病後に、成長促進等


 (三) 医薬品的な効能効果の暗示
 (a) 名称又はキャッチフレーズよりみて暗示するもの
 (例) 延命○○、○○の精(不死源)、○○の精(不老源)、薬○○、不老長寿、百寿の精、漢方秘法、皇漢処方、和漢伝方等
 (b) 含有成分の表示及び説明よりみて暗示するもの
 (例) 体質改善、健胃整腸で知られる○○○○を原料とし、これに有用成分を添加、相乗効果をもつ等
 (c) 製法の説明よりみて暗示するもの
 (例) 本邦の深山高原に自生する植物○○○○を主剤に、△△△、×××等の薬草を独特の製造法(製法特許出願)によって調製したものである。等
 (d) 起源、由来等の説明よりみて暗示するもの
 (例) ○○○という古い自然科学書をみると胃を開き、欝(うつ)を散じ、消化を助け、虫を殺し、痰なども無くなるとある。こうした経験が昔から伝えられたが故に食膳に必ず備えられたものである。等
 (e) 新聞、雑誌等の記事、医師、学者等の談話、学説、経験談などを引用又は掲載することにより暗示するもの
 (例) 医学博士○○○○の談
 「昔から赤飯に○○○をかけて食べると癌にかからぬといわれている。
………癌細胞の脂質代謝異常ひいては糖質、蛋白代謝異常と○○○が結びつきはしないかと考えられる。」等 

分かりやすく言い換えると

つまり、「商品の容器やパッケージや説明書、チラシやパンフ、冊子やHPやSNSに、効果効能があると示唆することを書いちゃいけないよ」ということを言っています。さらに、具体的には下記の表現を違反としています。

・商品の名称やキャッチフレーズ、製法、起源などに効果効能を記すこと

・「具体的な病名」を書いたり、「身体が変化する」と匂わせたり、「成分が薬で使われていた由来」などを書くこと

・古い書物に病気に効くと書かれていたことを引用すること

医師や学説などの権威ある人の言葉やデータを借りて効果効能を匂わすこと

 

薬機法違反簡易チェックの手法

「なるほど、大体はわかったけれども、例にあげられている表現がやや古いし、今自分が考えた文章が違反かそうじゃないのかイマイチわからないなぁ。判断は難しそうだ」という方に向けて、チェックポイントをまとめてみました。文章やコピーをチェックする際にご使用いただけます。

※下記は食品(明らか食品ではない目新しい食品、サプリメント、健康食品)に特化しています。化粧品や機械や雑貨等には対応していませんので、ご了承ください。

 

☑「具体的な病名」が書かれていないか?

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まずはじめに、具体的な病気名がかかれていないかチェックすることが大切です。ガンや糖尿病、鬱、血糖値が高めといった具体的病名はもちろんですが、鼻がムズムズする、疲れ目、肩こりがヒドイといった具体的な部位を指した不定愁訴を表す場合も相当します。また、成分が薬で使われていた由来を書くのは、それが事実であってもNGです。

例:糖尿病の方へ、血圧が高い方にもおすすめ、睡眠改善のために、生活習慣病の改善、お腹の調子の改善に、コロナに負けないカラダ作りに、民間伝承で治療に使われていたハーブ等。

 

☑「具体的な体の変化」を示してないか?

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病気や不定愁訴だけではなく、具体的な体の変化を示すこともNGです。頭、目、鼻、口、耳、肩首、内臓、手足、肌、精神まで、体の一部を使った表現をする場合、具体的な体の変化とみなされる可能性がありますので、不用意に使われていないかチェックしましょう。

例:おなかスッキリ、食べれば美肌、若返り効果のあるハーブ、疲れの取れない方に、脂肪燃焼率を高める、〇〇(栄養素など)の吸収を高める、頭スッキリ爽やか、目がクリアに、日焼けを防ぐ、バストアップ等

 

☑病名や体の具体的変化・美容を示唆する「キーワード」を使っていないか?

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その他、過去の厚労省自治体の通知により、薬機法違反とされたキーワードが多々あります。それらの記載がないかチェックしましょう。

例:免疫力、抗酸化、疲労回復、漢方、薬草、有効成分、伝統医学、抗ストレス、アンチエイジング代替医療、食べる薬、美腸、鎮静、デトックス、等。

 

まとめ。簡易チェックはできるけれど、最終的には専門家の意見を

上記の基準でチェックしていけば、とりあえず大きな違反は防げるのと思います。しかし、私も勉強しながら、「これもダメなのか?逆にこれはOKなのか」とびっくりした事例も多々ありました。なので、当然ですがこのツールに当てはまらなかったからといって、違反じゃないと言い切れるわけではありません。なので、最終的には専門家の方に見てもらうというのが賢明ですし、あくまで参考程度に見てみてください。

 

広告表現チェックツール『コノハ』

過去に薬機法違反とされたキーワードは、このブログではごく一部しかご紹介できませんでした。なので、思いもよらなかったキーワードが違反だった!という可能性はあります。そんなときに便利なのがチェックツールです。

free.konohacheck.com

特許取得弁護士監修した、 薬事・景表法チェックツールです。コスメ・健康食品に関する広告文章を自動的にチェックしてくれます。私も使用したことがありますが、資料やページを網羅してチェックできて抜けもれなく調べられるので、とても便利でした。
無料でキーワードツールは、「このキーワードは違反していないかな?」と不安な時に確認するのに便利です。有料版は導入費用等考えると決して安くはないですが、特にメディアを運営する方など、チェックする文量が多い方は導入する価値があるのではないかと思います。

 

守りから攻めの表現に転換するために

薬機法を守ったら、言いたいことが言えないのか?

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薬機法守ったら、何も言えない・・・

違反表現をカットしたら、文章がスカスカになってしまった…「これでは何も言えない。薬機法厳しすぎ(涙)」という印象を抱いた方も多いのではないでしょうか。私自身もそうでした。これを厳密にやったらクライアントさんの売り上げを下げてしまうんじゃないか、口うるさい厄介者が現れたと疎ましく思われるんじゃないかとか、勉強すればするほど相当悩みました。

実際、薬機法のことをよく知らない経営者様からは、「本当に良いものを広めて人様のお役に立とうとしているのになぜ邪魔をするんだ?」と言われたこともあります。(懇切丁寧に1時間じっくり薬機法と違反状態のままPR活動を行うリスクについて説明したらご理解いただけました◎)

私のクライアントさんの商品はおおむね、品質がいい、エビデンスもある、更に自分で健康効果を実感したから人にも自信を持って勧めたい、というものがほとんと。だから自分の言いたい事が法的に言えないというのは相当にショックなことなのです。

 

でも、あきらめないでください!

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私もPRという仕事をやっているので、素敵なこと、素晴らしいことを世の中に広げる活動が大好きですし、いいものはいいと広めてきました。しかしながら、薬機法を守るとそういった広げる活動に大きな制限がかかるのは事実です。すごく悲しいと思いますし、なんだか歯がゆいと思います。でもあきらめるにはまだ早いです。

 

①効果効能訴求には言い換え表現で乗り切る

違反表現があるなら、違反じゃない言い回しに言い換えればいいのです。「身体の部位」に「具体的な作用する」ということが違反のベースになっているので、体の部位を指定せず曖昧に伝えることで、クリアすることができます。例えば、具体的には、以下のような言い換えを行うことができます。


アンチエイジング→若々しさ

・漢方→和漢ハーブ

・免疫力→活性力

・美肌→表情が明るくなった

 

組み合わせて文章を作ると、最初はぼんやりとした表現に戸惑うかもしれませんが、その中で「この表現はお客さんの反応がいい!」、というのも徐々に見えてくるようになります。

 

薬事法有識者会議さんから、「言い換え表現集」も出ています。

https://www.yakujihou.com/dvd/text/1_4.html

 

②効果効能以外の魅力を掘り起こして伝える

こちらは、私がPRプランナーだからならではの考え方かもしれないのですが、「効果効能の訴求にこだわりすぎない」という発想も大切です。前回の記事の最後の方でもお伝えしましたが、効果効能以外にも、商品コンセプト、パッケージデザインを工夫したり、会社の社会貢献活動をアピールしたり、PRしていくアイデアは色々あります。

 

私が一つ素敵だなと思う事例をお伝えします。宅配野菜のOisixさんのミールキット「Purple Carrot」のヴィーガンセットで使われている「時々ヴィーガン生活」というキャッチフレーズです。

www.oisix.com

 

ヴィーガンって流行っているけれど、辛いイメージ。でも時々だったらやってみたいな。海外のブランドだし、写真見るとこんなカラフルで素敵なんだ。これを買ったら憧れてたヘルシーで環境にも優しい素敵な生活できそうだなぁ」

そんな気分になりませんか?直接的な健康効果を謳わずとも健康さをきちんと訴求しつつ、消費者ニーズをつかんだ表現の好例だと思います。

ミールキットそのものは食品のセット商品ですが、そういった「モノ」を売っているのではなく、本質的な部分では「ライフスタイル」を売っているのだと思います。

 

モノ消費からコト消費へ ライフスタイルを売る時代に

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モノ消費からコト消費、SDGsの時代へ

 

マーケティングでもここ5年くらいで、「モノ消費」から「コト消費」に移行してしてきたと言われています。消費者はモノ自体への興味から、「体験」、つまり消費を通じて得られる「ライフスタイル」を買う人が増えているということです。

実は、私が効果効能以外のところにもぜひ目を向けてほしいと何度もお伝えしているのは、コト消費へのシフトに加え、消費者の購買行動が変化しより社会的なものになっているからです。環境問題が深刻化し、差別や格差の問題が世界的に顕在化する中で、各企業はSDGsをはじめとした、社会課題の解決に取り組むようになり、消費者もそういった企業を支持するようになってきています。「効果効能」というのは消費者の購買の基本であるものの個人的なメリットに留まっています。その枠を超え社会に貢献できる、ヘルシーで環境や人、社会にやさしい商品、ライフスタイル自体を変えてくれるもの、そういったものが今求められています。

効果効能を伝えるとともに、「社会」にどんなアプローチができる商品なのか、そんな視点も商品開発やブランディングに是非取り入れてください。「社会」との関わりの構築はPR(パブリック・リレーションズ=社会との関係性)の得意分野です。こういったPRの記事も今後お伝えしていけたらと思います。