なぜ薬機法PRプランナーなのか?
薬機法PRプランナー、それは私、松矢が作った造語です。
薬機法に強いPRプランナーのことで、薬機法の知識をPRプランニングや活動に活かす能力を持つPRプランナーのことを指します。
名刺にも入れているんですが、最近交流会などが増え、薬機法PRプランナーの由来や活動している内容についてお伝えすると、
「すごく納得した!それ絶対世の中に必要な仕事だよ!」
「松矢さんが体験したことや考えたこと、情報発信した方がいいよ」
と言われることが増えました。
確かに、いきなり薬機法PRプランナーと言われても、その意義や役割はわかりにくいですよね。
でもそれは、私自身がPR活動の現場で様々なトラブルをリアルに横目に見てきた結果、これはヘルスケア関連の商品やサービスをPRをしたい企業の方々に絶対役に立つと思って生まれたものなのです。
私が薬機法PRプランナーになった背景とその想いをこの場でお伝えしたいと思います。
- ヘルスケアPRと私
- コロナ禍で増えたヘルスケアの仕事
- 薬機法を知らなかったがゆえにプロジェクトは失敗、大損失につながる例も
- 私がPRプランナーとしてできることは?
- 難しい薬機法の勉強を経て、資格取得へ
ヘルスケアPRと私
私は新卒でPR会社勤務を経て、独立して10年フリーランスPRとして活動し、主に食関係やライフスタイル関連のPRに携わってきました。
PR会社時代に医薬品や化粧品のPRに関わったことがあり、フリーランスになってからもヘルスケア関連のPRに関わってきました。
薬機法や各種ガイドラインが難しいことを理解しており、私自身は当時深い知識はなかっため、クライアント側や代理店の法務担当者がしっかりチェックしてくれる、という体制でのみ請け負ってきたため、そこまでリスクを感じることなく取り組めていました。コロナ禍の前までは。
コロナ禍で増えたヘルスケアの仕事
2020年、世の中はコロナ禍に突入。未知とのウイルスとの戦いが始まり、人々の健康意識が高まるとともに、この間ヘルスケア産業は大きく伸びました。
それに付随してか、既存のヘルスケア企業のみならず、新規事業としてヘルスケア事業に参入してくる企業が増えました。
私もそういったヘルスケアや美容の新規事業やプロジェクトに関わることが増えてきました。そこで何が起きたかというと、薬機法のことを知らない企業が、それが原因で大きなトラブルに見舞われるケースが散見されたのです。
薬機法を知らなかったがゆえにプロジェクトは失敗、大損失につながる例も
私はPRプランナーとしてヘルスケア関係のプロジェクトに関わってきました。その際、商品や企画がほぼ完成してからPRを依頼されるケースが大半で、いわば「枠組みが既にカッチリ定まっている」段階での発注が大半でした。
とあるウェブサイトのコンテンツ制作とPRを請け負った際、その企画書をみた瞬間、
「あれ、このコンテンツ内容、薬機法違反じゃない?」
と感じました。ですが、私に仕事として求められているのは、PRや記事制作であり、そこを指摘する立場ではありませんし、薬機法についてすごく詳しいわけじゃないので確かなことは言えません。(あからさまに違反というより、ややグレーかな?という感じだったため)
そこで薬機法違反の可能性をお伝えしつつ、基本的にクライアントの希望通りにコンテンツを作っていきました。コンテンツがほぼ出来上がって世の中に出すぞ、という段階になった時、
会社が念の為、法務関係の方に確認したところ、「これは薬機法違反だからダメ、そもそもこのウェブサイトの体裁も薬機法違反」ということを指摘され、企画はストップ。
作ったウェブサイトは、世の中に出せずに終わった、ということを経験しました。
予算をかけてコンテンツもサイトも作ったので、それは説明するまでもなく、会社にとって大きな損失です。私自身も一生懸命作ったコンテンツを世の中に出せないのは正直とても悲しかったです。
これは一例ですが、コロナ禍に入ってから、このような薬機法や景表法にまつわるトラブルをクライアントさんが経験するのを多くみてきました。
その多くが新規事業でヘルスケアに取り組んでいた企業でしたが、中にはもともとヘルスケア事業に取り組み法務部もしっかりしていたところでしたが、ウエブマーケティングなど既存の広告とは異なる新しいスキームを用い、薬機法の知識が万全ではない現場主導で情報発信したため、法務部のチェックが届かず意図せず薬機法違反を犯してしまう、ということもありました。
私がPRプランナーとしてできることは?
こういうことはあるあるなんだと気がつくとともに、
「これは資源・資金の大いなる無駄遣いだなぁ。しかも原因は薬機法の実態を知らなかったことだけ」
ということに気づきました。
さらに、
「事業立ち上げや企画の最初の段階から、薬機法や景表法のことを知っているPRが関わっていれば、こんなことにはならなかったのではないか?」
ということを思い至りました。
なら私自身が薬機法や景表法を勉強して、適切なプロジェクトや表現を企画提案できる「薬機法PRプランナー」になればいいのでは?と思いました。
それに気づいてからはすぐさま薬機法の勉強に着手、薬機法管理者という民間資格があることも知り、すぐに申し込みました。
難しい薬機法の勉強を経て、資格取得へ
薬機法の勉強は正直めちゃくちゃ難しかったです。私自身法学部の出身ではなく(※新聞学科出身で専門はジャーナリズムです)その分野に明るくないこともあったのですが、薬機法、健康増進法、景表法、各種ガイドラインなどが入り乱れているので、全く単純ではないと感じました。
また、これを専門家をつけずして違反しないことを徹底するのは事業者にとって酷であるとも感じました。
今の時代は、きちんと広告審査のある新聞やテレビなどの媒体を活用するのみならず、ウエブやSNSを活用して、リアルタイムに大量かつ柔軟に情報を発信しながらマーケティングやPRを行う時代です。そこに薬機法は大きな壁としてはだかるのは間違いないと確信しましたし、私の学んでいることはクライアントさんを守る意味でもとても重要なことだと感じました。
そう思うと、「難しいけど頑張ろう、絶対モノにするんだ」と力が湧いてくる感じがしました。
そんなこんなで晴れて薬機法管理者のテストに合格し、資格を取得します。
こうして、薬機法PRプランナー松矢英恵が誕生しました。